説教要約

1月13日

『 夢を見せられた青年 』

創世記28:10~22

 

 私たちは今、歴史の転換期を迎えています。転換期とは「世の中の枠組みが大きく変化する時代」であり、物事が移り変わり、これまでの考え方が通用しなくなるときです。個人レベルでは、誰もが大小の転換期を何度か迎えているでしょう。「成人」する時期にも、生活が変わることが多く、新しい考え方が求められるでしょう。まだ経験していない未知の世界に歩み出すことは、不安や恐れを覚えるものです。それが個人レベルだけでなく、社会や世界レベルにおいて、様々な場面での転換期を迎えている今、私たちは先の見えにくい難しい時代を生きていかざるを得ないのでしょう。

 

 ヤコブには、エサウという双子の兄がいました。彼は母リベカと共に父イサクを騙して、兄エサウが受けるはずだった祝福を奪ってしまいました。そのことでエサウは怒り、ヤコブを殺そうと思うようになったため、ヤコブは母に押し出されて家を出、遠く離れた地に住む叔父のもとへと逃げ出しました。見知らぬ地への、危険と隣り合わせの一人旅が何日も続きます。ヤコブには、この先にどんなことが起るのか、想像もできなかったでしょう。一日中、歩き続け、荒野の只中で夜を迎え、名もないところで石を枕にして野宿する彼は、孤独と不安と恐れを感じていたことでしょう。兄から奪った祝福も、家を追い出されては何の意味もない、自分を守るものは何もない、という思いもあったかもしれません。

 

 そんなヤコブが夢を見せられました。その夢では、地の上から天にまで届く階段があり、その上を神の使いたちが上ったり下りたりしていました。そして主なる神様が彼のそばに立って、このように言われました。「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語ったことを行うであろう」。その夢は目に見える現実とは全く異なっていました。しかし、神様に見せられたその夢は、目には見えない現実を示しているのです。たった一人で先の見えない旅をしていると思っていたヤコブでしたが、神様はまさにこの所で共におられ、どこへ行っても守り、決して見捨てない、という夢のような現実を知らされたのです。

 

(成人祝福礼拝/副牧師・杉山望) 


過去の説教要約
1月6日 それって本当に最後? ルカによる福音書9:57~62
12月30日 抵抗は終わらない マルコによる福音書12:1~12
12月23日 その時、星がきらめいていた マタイによる福音書2:1~12